
フランス公国の騎士、シュヴァリエ・デオン。フランスの騎士としての誇りを尊んでいた彼女は今、主であるはずのマリーを追いつめていた。
「マリー。あとはあなただけだ」
「デオン……どうして?」
「どうして? おかしなことを聞くねマリー。むしろ、君が何でマスターに従わないのか不思議なくらいさ。ほら、見てくれ。私なんかにはもったいない服従の印までつけてくれて」

マリーの疑問の言葉にデオンは返答をまくしたて、目の下に刻まれた紋を見せつける。
「お腹にもね。騎士としてこれ以上嬉しいことはないよ……さあマリー、僕と一緒に行こう」

「い、嫌……」
「素直になれないなら……力づくでもね」

「はいマリー、お茶だよ」
「ありがとうデオン。……初めて見るお茶ね。なんだか白くて……ねばねばしているわ」
「ああ、特製のものだからね……」