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マブラヴ クリスカ



 ソ連軍所属、クリスカ・ビャーチェノワ少尉。彼女はBETAと戦うために生み出された、いわば兵器そのものであり、様々な実験や薬物を経てそこにいる。もちろん命令には従うこと、ということも刷り込まれており……

「慰安任務……で、ありますか?」

「ああ。君には上層部への肉体的な接待を頼みたい」

 今日の訓練を終え、妹のイーニァを先に休ませた後、クリスカは上司に呼び出されていた。しかし上司が発したその言葉に、クリスカは眉をひそめる。

「お言葉ですが、それはとても衛士の仕事では――」

「これは命令だよ、クリスカくん。『命令』だ」

「めい……れい……」

 流石に上官と言えども冗談が過ぎる、とクリスカは無礼を承知で苦言を呈していたが、上官の言葉を聞いていると、徐々に目が虚ろになっていく。

「これは『命令』だよ、分かるね?」

「はい……めいれい……命令……には、従い、ます」

 口調はたどたどしいが、クリスカはしっかりと命令を復唱する。すると、クリスカが着る衛士用のパイロットスーツの頭部、パイロットに必要な情報を直接頭に入力するシステムが、チカチカと光り出す。

「了解しました。クリスカ・ビャーチェノワ少尉、慰安任務に就きます」

「よろしい。励みたまえ」

「ハッ!」

 そのチカチカとした光が消えるとともに、意識もしっかりしたクリスカが上官へ敬礼する。

 上官からの命令は絶対であり、祖国の為なら自らの肉体を捧げる程度、造作もないことだ――と、考えながら。それが何度目の慰安任務かも忘れ。
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