
『CANDY ISLANDの皆さんでーす!』
「はわわ、テレビですよテレビ……」
双葉杏、緒方智絵里、三村かな子の三人で結成されたグループ、CANDY ISLAND。地道に活動していた三人は、遂にテレビ出演というチャンスに持ち込んでいた。

「まあまあ、そんな緊張しないで。適当にさ」
「むむムリです……」
平常運転な杏に緊張しきりなかな子に智絵里だったが、番組は構わず進行されていく。
『今日はこの話題沸騰中のCANDY ISLANDの皆さんに、CDの宣伝をしてもらうということで。どなたがやりますか?』
「はい」

「……え?」
杏がその低い身長によって無理やり智絵里の手を上げ、観客やスタジオのメンバーから、智絵里へと拍手が巻き起こった。
「リハーサル通りに、ね」
「……はい!」
どちらにしてもCDの宣伝は智絵里の役割だった。緊張してそれも忘れてしまっていたが、杏によって智絵里にも気合いが入る。
「私たちCANDY ISLANDの初めてのCDです! 皆さんどうか、手にとってみてください!」

『では明日発売のCDから、CANDY ISLANDの皆さんから歌ってもらいましょう!』
司会の言葉によって、三人はステージの前に立っていた。歌番組という掴んだ最高のチャンスに、CANDY ISLANDの三人の気合いのこもった歌声が――
――テレビの中から聞こえてきていた。
「いやー、智絵里ちゃんいい宣伝してたねー」
舞台裏。撮影は既に終わっており、そのテレビ番組を撮影したメンバーと、CANDY ISLANDの三人は本放送を見ていた。
「ふぁい……」

「そうやって身体を売ってくれれば、いつだった番組出してあげちゃうからさ」
「はい……アイドルして活動するために、必要なこと、ですから……」
「何でもします……」