
「うーん……今日もつっかれたぁー……」
学校から帰ってきたらとりあえずシャワー。制服を洗濯物にしながら、温かい湯で身体を流し終わり、着替えをしていると。シャワー室の外から、同居人が帰ってくる音が聞こえてきた。

「未来ー? ……ってえぇ!?」
「…………」

そこにいたのは知らない男の人だった。着替えようとしていた私の部屋に来て、一瞬信じられなくなってから、それから悲鳴をあげようとして――
「響。どうした?」
「どうしたって……あれ? えっと……?」
――目の前にいるのは、この学生寮に同居している親友だ。よく一緒にこのお風呂に入ったりもしていたのに、どうして今日に限ってとても恥ずかしいのだろう。

「いや……なんか、恥ずかしくて……」
「早く服着れば?」
呆れ顔で男は――親友は語る。どうしても彼の名前は思い出せないけど、そんなことより、彼の言う通りに早く服を着なくては湯冷めしてしまう。
「……よしっ」

中途半端にシンフォギアを纏った姿を、彼はじろじろと観察する。いつもの光景の筈なのに、何かがおかしいという気になるけれど、深く考えようとすると頭がボーッとする。
「響?」
「あ、えと……ちょっと喉渇いちゃったなー、なんて……」
「そうなら早く言ってくれよ。ほら、響の好きないつもの飲み物」
心配そうに見つめてくる彼に対して、笑いながらごまかしていると、本当に飲み物を差し出してきた。あ――確か私は、あの飲み物が大好き、なんだっけ……?
「ありがと~。じゃ、いただきます!」

そして大好きな飲み物の蓋に口をつけた途端、頭の奥が痺れるような感覚とともに、真っ白になって。
「響。いつも何飲んでるの?」
「へっへー。大好物なんだー。未来も飲んでみる?」