
未開の惑星の調査に来ていたマトイは、偶然同じような任務を受けていた仲間と合流する。順調に任務を進めていく二人だったが、気がつくと森の深いところまで来てしまっていた。
「メルフォンシーナさん。そろそろ森も深くなってきましたし、一旦引き上げませんか?」

「…………」
「……メルフォンシーナさん?」
前を歩いていた仲間、メルフォンシーナから何の応答もない。不審に思ったマトイは肩を叩いてみると、そのままメルフォンシーナはその場に倒れ伏してしまう。
「メ、メルフォンシーナさ……きゃっ!」
倒れたメルフォンシーナにマトイが駆け寄った瞬間、メルフォンシーナのスカートの中から虫のようなものがマトイに迫り、一瞬にして動けないように拘束した。

「い、いやっ……何これ……」
触手のような虫はマトイにジリジリと近づいてきて、いつからかは分からないけど、メルフォンシーナにこの虫は寄生されていたのだ――とマトイは気づく。しかし気づいたところで遅く、マトイの口の中に触手は無理やりねじ込まれていく。
「むぐ……んっ~――――んぐっ、んぐっ、んぐっ」
最初は抵抗しようと思ったマトイだったが、触手を口に咥えた瞬間、そんな気はまるでなくなっていく。最後には自ら触手を全て飲み込んでいき、マトイは美味しそうに立ち上がった。
「ア……ワタシノナマエ……マトイ……いイったんキャンプシップにニニ戻らなキゃ」
「……はい」
倒れ込んでいたはずのメルフォンシーナも、マトイがそう言うと立ち上がって虚ろな表情でついてきた。
「ァ――……ダメだよ、メルフォンシーナさん。もっとちゃんと人間らしく振る舞わなきゃ」
「……はい」
「……あんまり元と変わらないからいっか。じゃ、もっと仲間増やさないと、だよね」

「ねぇ。ちょっといいかな?」
そしてキャンプシップに帰った二人は、同じく休憩していた男のクルーに話しかけていた。

「ちょっと……お願いがあるんだけど……」