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スーパーロボット大戦RMC 第二話

「どうなってるの……?」

 ブリタニア軍の基地。捕まっていたはずのアイビスだったが、特に見張りもなく基地の中を歩いていた。敵である自分のことを、まるで警戒していないようだった。

 しかし、こちらのことを甘く見ているなら好都合だ――と、アイビスは囚われている筈の仲間を探していた。油断されている隙に脱出するために、だ。

「……カレン」

 他のみんなはブリタニア軍に協力している、なんてあの男は嘘を吐いていたが、もちろんそんな訳がない。でも心配なのは、ブリタニア軍がみんなを洗脳なんてことを――

「っ……」

 ――いや、『洗脳なんてありえない』から、カレンも千葉さんも演技に違いない。そう考えながらアイビスは基地を歩いていくと、ようやく探していた人物の1人に遭遇した。

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「シェリル! 無事だったのね!」

「アイビス。あなた、こんなところにいたの?」

 銀河の妖精、シェリル・ノーム。宇宙を股にかけるアイドルだった彼女は、自分たちに同行していたことで囚われている筈だった。

「みんなこっちにいるわよ。あなたも来なさい?」

「みんなって……わっ!」

 無理やりシェリルに手を引かれて、アイビスはある部屋に連れて行かれた。そこには、見知った顔が沢山いて。

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「ちょっと、ノックぐらいしなさいよ!」

「……アイビス」

「あら本当。アイビスじゃない」

 まず目についたのは通称《グランナイツ》の女性メンバーたち。下着姿のままだったので、アイビスは慌てて部屋の扉を閉める。

「ほら、早くお茶持ってきなさいよ! 気が利かないわね!」

「はい……申し訳ありません……」

 シェリルが突如として声をあげると、気弱そうなメイドがアイビスにお茶を運んできた。反射的にそれを受け取った瞬間、そのメイドが見知った人物であることに気づいた。

「アルト!? アルトでしょ!」

「…………」

「ったく。ごめんなさいね、アイビス。これだからブリタニア人以外の人間は……」

 アイビスの声にアルトは答えず、代わりにシェリルがせいいっぱいアルトを見下して答えてきた。確かに口喧嘩することも多い二人だったが、こんな見下すような言い方はしていなかった。さらに気づけば、他に待機しているメイドも、グランナイツの男性陣がメイド服を着ている姿だった。そしてそれを疑問に思うことはなく、奴隷のように働いている。

「アイビス? どうしたの?」

「そもそも……なんでみんな下着姿なの? この敵地で……」

「敵地? 何言ってんのよアイビス。ここはブリタニアの基地じゃない」

「ブリタニア軍人の私たちがいるのは当然……」

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 心配そうに見てくれるシェリルには悪いが、グランナイツのメンバーの狂った返答を含めて、アイビスはついつい後ずさりしてしまう。そしてさらに扉が開き、助けが来たかとそちらを見ると。

「お、やってんなー」

「これならブリタニア軍人様も喜んでくれそうだよねー」

「……あら、アイビス……」

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「ッ!」

 新しく来た人たちも、やはりアイビスから見ると様子がおかしく。どうなっているのか、まるで理解がおいつかないアイビスに、シェリルは肩を掴んでいた。

「アイビス……あなた、どうしたの?」

「そっちこそ――」

「私たちはブリタニアに忠誠を誓った軍人で、下着姿になってサービスしろって言われたら、喜んでストリップショーしてみせるわ。『あなたもそうでしょ?』」

「ぇ……ぁ……?」

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 シェリルに怒鳴りつけてやろうと思った瞬間、そのシェリルの言った言葉がアイビスの脳内に染み渡った。確かに自分は、今までブリタニア軍人として働いて――いや、そもそも私はブリタニア人じゃない――でもシェリルの言うことは『嘘じゃない』し――

「そっか……私、ブリタニア人だっけ……?」

「そうよ。だから私たちは、ブリタニア人以外にどんな扱いをしてもいいのよ? 他のブリタニア人様には絶対服従だけどね」

「そう……そうよね!」

 シェリルの言葉は、まるでアイビスの脳内を洗っていくように、かつ矛盾点を気にしないように都合よく響いていった。アイビスはもはや先程までの違和感を忘れ、途端にアルトが入れてくれたお茶に嫌悪感が湧き始めた。

「何よこのお茶……汚い!」

「そうよアルト。淹れ直して来なさい」

「はい……」

 アイビスは反射的に湯飲みを落としてしまい、メイド服姿のアルトが緩慢な動きで片付けていくが、もはやそれを見てもアイビスは何の感慨も浮かばない。そんなことよりも、アイビスはもっと重大なことに思い至ったからだ。

「私……何てことを……」

「どうしたの?」

「さっき……ブリタニア人様に無礼な口を聞いちゃって! 今すぐ謝ってくる!」 アイビスの脳内では、今もあの男は敵のままだったが、先にブリタニア人への恭順本能が勝る。すぐさま部屋を飛び出していくと、アイビスはあの男を探すために走り出していった。

「さて、私も準備しなきゃ。早くランカちゃんの洗脳、終わらないかしら……」

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コメント

No title

更新お疲れ様です
あまりにもあっさり洗脳されてしまうアイビスw
ルルーシュのように直接洗脳しているわけでも無いのに
記憶などをあっさり塗り替えてしまうとはかなり
強力な能力のようですね
他のキャラがどんな状態になっているのか楽しみです
これからもがんばってください

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