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Fate 女王メイヴ リクエスト

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「あら、お目覚め?」

 疾走する戦車の席の隣にて、男がようやく目を覚ましたのを皮肉げに語っていた。英雄を手込めにして配下にするのが趣味、というよりは生きがいかつ当然のわたしとしては、男の目利きに関しては自信があるが、目の前でふて寝を決め込んでいた彼には何の魅力も感じることはなく。

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「もうすぐ着くわよ、あなたが二度と出ることはない監獄にね。んー……でも正直、あなた奴隷にもいらないし、今なら許してあげてもよくてよ? ほら、メイヴちゃん、サイコー! って鳴いてみなさい?」

 そんなわたしの言葉もどこ吹く風、といった様子でいて。そもそもこのコノートにおいて、女王たるわたしの言葉を無視するなんて死刑に値する訳だけれど、死刑宣告を与える前に目的地だった監獄が見えてきてしまう。男にとっては幸か不幸かはともかくとして、コノートで一番と自慢を持って言える監獄に、わたしは思わずニヤリと笑っていた。

「見えてきたわね。アレがあなたを永遠に閉じ込める監獄。……ふふ、中ではどんな地獄が待っているか知りたい? 知りたいわよね?」

 もはや監獄を前にして意識が麻痺しているのか、この期に及んで何の反応も示さない男を哀れに思いながらも、驚いてくれないと張りがないと今から迫り来る地獄を男へ語りだした。

「いい? あの監獄にはあなたに絶対服従するよう洗脳された雌奴隷が何人も配置されていて、あなたに迷惑がかからない程度に一生を懸けて奉仕するわ」

「もちろんこのわたしも、女王なんて身分を捨ててあなたの雌奴隷の一員になるんだから、逃げるなんて考えるだけ無駄よ」

「……ふふ。どう? 恐ろしくて声も出せないかしら? わざわざあなたに洗脳されてまで聞いただもの、当然よね」

「まあ、そのせいでわたしもあなたの雌奴隷になるわけだけど……仕方ないわよね。それより、もう監獄に入るわよ。監獄に入ったが最後、わたしも完全に洗脳されて、あなたにメロメロな雌奴隷になっちゃうんだから」

「さあ、監獄に入る前に、言い残しておくことはないかしら?」

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 そうして戦車は、城と見紛うほどに豪勢な『監獄』へと入っていき――


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「うーん……ご主人様ったら、どっちが好みかしら……なんて、ご主人様はわたしの服なんて見てないか」

 そうして朝、わたしは鏡の前で服装のチェックをしていた。とはいえ数十人もいる雌奴隷の内の一人であるわたし程度の服など、まったく気にもしていないだろうし、他の雌奴隷たちは既にご主人様を奉仕しに行っているのだろう。

「よし、これに決ーめたっと!」

 だけど自分が着る服なんかに時間を取ってご主人様への奉仕に遅れるだなんて、雌奴隷にあるまじき行為をしているのだから、もしかしたらご主人様直々に罰を下さるかもしれない。そうなれば一瞬でも他の雌奴隷たちを差し置いて、自分だけを見てくれるなんて、こんなに幸せなことはない。

「ふふ……」

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 幸せな日々の毎日に、わたしは知らず知らずのうちに微笑んでいた。
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コメント

No title

どうも人形好きです、作品見させていただきました
自分が洗脳されていることを自覚せずに、勝ち誇った態度で色々と
おかしいことを語るメイヴちゃんが滑稽でいいですね
せっかく監獄と雌奴隷を用意したのに、その後はただの一奴隷にされて
少しでも自分を見て欲しいと求める姿からはもう女王の面影は感じられません
本当に監獄に囚われているのは、ご主人様への愛に縛られた彼女の方でしょう
どうもありがとうございました!また次もよろしくお願いします!

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