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SAO アスナ 悪堕ち

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「っ……!」

 未知の亜人モンスター。その大群に襲われたアスナは、一瞬の油断を突かれて麻痺毒を受けてしまう。そして動けなくなったところを、そのまま敵の集落に連れ去られてしまったものの、その瞳はまだ諦めていなかった。そもそもプレイヤーを集落に捕まえるモンスターなど、このデスゲームが始まって以来に聞いたこともなく、新たなクエストの始まりかも知れない、という希望的な観測もあったからだ。

 それ以上に、絶対に助けに来てくれる相手がいるとも――

『――――――』

「……誰?」

 そうして脱出の機を伺うアスナを嘲笑うかのように、周りに亜人たちが歩み寄ってきていた。その姿は人形ながらも魚のウロコのようなものに覆われており、ひどく不愉快さを感じさせるもので。気味悪がるアスナをよそに、魔術師のローブを着たような亜人が近づいてきた。

「あなたたちは何者? 私をどうする気なの?」

『――――――』

 念のために問いかけてみたはものの、やはり言葉は通じない。同様に、向こうも何やら喋っているようだが、その内容はアスナには分からずに。結局はコミュニケーションも取れずに、魔術師の亜人の腕がアスナの頭に伸びてきた。

『――――』

「……嫌! やめて!」

 当然、アスナの抵抗の声が聞き入れられることもなく。アスナの頭を撫でるように、亜人のヌメリとした感触の腕に掴まれる。

「……ぁ……」

 そうしてアスナが人間として最後に見たものは、巫女のような印象を受ける自分の姿だった。

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「どうですか人間様? ちゃんと見えますか?」

 生まれたままの姿を晒しながら、アスナは周りの『人間様』へと媚びた笑みを浮かべていた。何故なら、所詮は生きる価値もない『亜人』に過ぎなかったアスナを、こうして『巫女』として取り立てていただいたのだ。その喜びは常にアスナを支配しており、ようやく覚えた巫女の舞を『人間様』たちに披露する。

「……人間様、しばしお待ちを」

 だというのに、邪魔が入ったらしい。舞を見物していた人間様に断りを入れると、アスナは先程までとは表情を一変させて槍を取った。自分が亜人ごときだった武器などとっくに捨ててしまったが、人間様に賜ったこの武器で負ける気など毛頭なく。

『――――』

「亜人なんかが……よくも邪魔をして!」

 侵入してきた『亜人』が何やら喚いていたが、紛い物とはいえ『人間様』の巫女となったアスナに、そんな下等な言葉は理解できなかった。その肌色の醜い姿を排除すべく、アスナはただ人間様の巫女として槍を振りかぶっていた。

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